『幹部自衛官』の階級はどのように上がるのか?「3尉」昇任後の道

自衛隊

『幹部自衛官』になるには、「幹部候補生学校」において必要な知識・技能・体力などを身に着けます。

幹部候補生学校を卒業後、はれて『幹部』となり、それぞれの勤務地において仕事をし、任務に励む事になるわけです。

でも、

「その後は、どのように昇任していくのでしょうか?」

「誰でも同じように階級が上がるのでしょうか?」

などの疑問がある人や自衛隊に入隊して幹部を目指そうと考えている人は、この記事を読んで頂くことで『幹部自衛官』の階級がどのように上がっていくかがわかります。

私は陸上自衛官でしたので、海と空はやや異なるかもしれませんのでご了承ください。

『幹部自衛官』のコース

『幹部自衛官』には、次の3種類のコースがあります。

A幹部
防衛大学の卒業者及び幹部候補生試験採用者
B幹部
部内幹部候補試験の合格者
C幹部
3尉候補者課程の卒業者

 

3種類のコースのそれぞれの特徴などについては、こちらを参考にしてください。

⇒『【徹底解説】幹部自衛官とは?幹部になる3つの方法・ケース』

なお、C幹部は「曹」を長期間勤務することで昇任しますので、これ以降はA幹部とB幹部を対象として説明します。

『幹部自衛官』の「3尉」昇任後の道

さて、A幹部やB幹部の様な『幹部自衛官』になるには、幹部候補生となり、「幹部候補生学校」に入校する必要があります。

ちなみに、「幹部候補生学校」は、
陸上自衛隊は、福岡県の「久留米」
海上自衛隊は、広島県の「江田島」
航空自衛隊は、奈良県の「奈良基地」
にあります。

そして、幹部候補生学校を卒業後、3月に「3尉」に昇任します。

「3尉」以降、それぞれの階級への昇任について、かかる年数は次の表を参考にしてください。

「3尉」以降の階級への昇任についてかかる年数の図

『幹部』となってそれぞれの任務に応じた業務を行うことになりますが、陸上自衛隊にはそれぞれ普通科、機甲科などの「職種」と呼ばれる仕事場があるため、まずは「幹部初級課程(BOC)」に入校します。

なお、「職種」についてはこちらを参考にしてください。

⇒『陸上自衛隊の仕事(職種)には、どんなものがあるのか?』

「幹部初級課程(BOC)」に入校

「幹部初級課程(BOC)」は、
各職種の初級幹部として必要な知識及び技能を修得することが目的です。

教育期間は約9ケ月で、教育終了後は主に「小隊長」として勤務することになります。

「3尉」から「2尉」に昇任

「幹部初級課程」を卒業することで、
A幹部もB幹部も「3尉」昇任から約2年後に「2尉」へ全員横並びで昇任します。

しかし、「2尉」以降は、A幹部とB幹部とでは、昇任のスピードも将来への出世の仕方も異なっていきます。

「幹部上級課程(AOC)」に入校

幹部に任官してから約5年後に「幹部上級課程(AOC)」に入校します。

幹部の必修課程は、「幹部初級課程」と「幹部上級課程」の2つがあるのです。

「幹部上級課程(AOC)」は、
各職種学校で中級の指揮官及び幕僚等として必要な知識及び技能を修得することが目的です。

教育期間は約6ケ月で、教育終了後は主に中隊長、大隊の幕僚等として勤務することになります。

「2尉」から「1尉」に昇任

A幹部は、「幹部上級課程」に入校中の7月、
「2尉」から「1尉」へ約4年で全員横並びで昇任します。

B幹部は、「幹部上級課程」を卒業後に逐次、
「2尉」から「1尉」へ昇任します。最短でも約4年半かかります。

「1尉」から「3佐」に昇任

「1尉」から「3佐」に昇任するには、最短でも約5年かかります。

「左官」になるためには、中隊長や大隊の幕僚など多くの職を経験する必要があるのです。

A幹部は、昇任のスピードは異なりますが特別な場合を除き全員が「3佐」に昇任します。

B幹部は、昇任時期に数人ずつが「3佐」に昇任します。
しかしながら、全員が「3佐」に昇任できるわけでは無く、同期の6割程度しか昇任できないと言われています。

「3佐」から「2佐」に昇任

A幹部は、昇任のスピードは異なりますが、特別な場合を除き全員が現役の間に「2佐」に昇任します。

B幹部「2佐」に昇任するためには、
「指揮幕僚課程(CGS)」や「幹部特修課程(FOC)」という教育を履修する必要があります。

「幹部特修課程(FOC)」

「幹部上級課程(AOC)」を卒業し、受験資格を満たした志願者が受験します。

「幹部特修課程(FOC)」は、
陸上自衛隊独自の幹部課程であり、各職種の上級指揮官として必要な知識及び技能を修得させることを目的としています。

B幹部が「2佐」に昇任するためには、「幹部特修課程」の教育を履修する必要があります。

「指揮幕僚課程(CGS)」

「幹部上級課程(AOC)」を卒業し、受験資格を満たした志願者が受験しますが合格できるのは極わずかの人です。

「指揮幕僚課程(CGS)」は、上級指揮官・幕僚の育成を目的とした教育課程です。

陸上自衛隊:約1年6ヶ月
海上自衛隊:約1年
航空自衛隊:約1年
という長期間入校する必要があります。

A幹部もB幹部も「1佐」に昇任するためには、「指揮幕僚課程」の教育を履修する必要があります。

「1佐」に昇任

A幹部が「1佐」に昇任するためには、
「指揮幕僚課程(CGS)」や「技術高級課程(TAC)」、「幹部特修課程(FOC)」の教育を履修する必要があります。

B幹部が「1佐」に昇任するためには、
「指揮幕僚課程(CGS)」の教育を履修する必要があります。

しかし、序列が影響しますので「1佐」への昇任が保証されているわけではありません。

 

なお、A幹部で「指揮幕僚課程(CGS)」や「技術高級課程(TAC)」の成績上位の人は、
「幹部高給課程(AGS)」に選抜されて方面隊の運用ができるようになります。

そして、「1佐」は、
「1佐の三」「1佐の二」「1佐の一」と上がっていきます。

「将補」に昇任

「1佐の一」は、補職に階級がついています。

「1佐」昇任の年数とポストが空くことで、「将補」の補職に就くことができます。

昇任スピードの速い人は、早く「将補」の補職についている傾向があります。

「将」に昇任

ポストが決まっていますので、政治的な影響も加味される場合があります。

師団長、方面総監、幕僚長などの役職に着任と同時に「将」に昇任します。

『幹部自衛官』の年齢と階級の関係

A幹部の場合、年齢と階級の関係はどのようになるのでしょうか?

最短の昇任スピードの場合の表を作ってみました。

幹部自衛官の年齢と階級の関係の表

いかがでしょうか?
イメージができましたら嬉しい限りです。

まとめ

今回は、

『「幹部自衛官」の階級はどのように上がるのか?「3尉」昇任後の道』

と題しまして、

「3尉昇任後は、どのように昇任していくのでしょうか?」

「誰でも同じように階級が上がるのでしょうか?」

などの疑問に図や表を用いて説明しました。

『幹部自衛官』を目指し、さらに、陸上自衛官で「2佐」以上に昇任したい場合は、

✅CGS(指揮幕僚課程)
✅TAC(技術高級課程)
✅FOC(幹部特修課程)

いずれかの試験に合格する必要があります。
そして、課程での成績が上位であれば昇任スピードは速くなります。

この記事では、「3尉」以降の話をしましたが、「士」から「曹」の階級の上がり方について知りたい方はこちらを参考にしてください。
『自衛隊の「階級の上がり方」(昇任)はどうなっているのか?』

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