「自衛隊の今年のボーナスは、いくらもらえるのかな?」
「自衛隊の給料は、いくらくらいもらっているのかな?」
このような疑問に元陸上自衛官の私が答えます。
『自衛隊は、給料とボーナスをいくらもらっているのか?』について、ズバッと、わかりやすく解説しますね。
自衛官の「ボーナス(賞与)」は、いくらもらえるのか?
さて、自衛官のボーナスはいくらもらっているのでしょうか?
年間の支給額は、「何カ月分」なのか?
2023年10月の人事院の給与勧告により、
ボーナスの年間支給額は、「4.50ヶ月」と0.10カ月引き上げになりました。
ですから、
2024年の夏のボーナスは、「2.25ヶ月」となります!
そして、民間企業の業績も回復していますので、2024年10月の人事院勧告では更に0.1カ月引き上げられることが予想されます。
そのため、冬のボーナスに加算され、2024年のボーナスは年間で「4.60ヶ月」になるかもです。
すると、
2024年の冬のボーナスは、「2.35ヶ月」となります!
平均ボーナス額と支払時期
さて、自衛官の平均ボーナス(賞与)は、
150万円です。
なお、ボーナスの支払い時期は、
✅ 冬は、12月10日
で、ともに基本給の2ヶ月分+αが支給されます。
夏と冬で2回もらえますが、
月に20万円もらっているとすれば、1回にもらえる分はざっくりと2倍して、40万円以上はあるとわかります。
ちなみに、2024年度のボーナスは、
20万円に「2.25カ月分」をかけると、45万円となりますね。
ボーナスに影響する「評価」とは?
実は、これだけではありません。
「実績や能力」の評価が付加され、支給額が変動します。
・頑張った人には「A評定」
・普通の人は(標準)の「B評定」
最悪なのは、
・重大な違反・処分を受けた人には「D評定」
の評価が付加され、支給額が下がる場合もあるのです。
また、
「S評定」は、人員の10%以下しか枠がないのですが、117%(+25%)もアップします。
「A評定」は、人員の25%、つまり4人に一人の枠があり、104.5%(+12.5%)アップします。
なお、
簡単にボーナスの支給額が知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
⇒【必見】超簡単に公務員のボーナス支給額が解る計算のやり方
自衛隊の「給料」は、どれくらいもらえるのか?
自衛官の初めての給料はいくら?
「自衛隊ホームページ」を参考に、初めての給料(初任給)を表にしてみました。
上の図からも解るように、
自衛官になるためには、『採用』される必要があります。
そして、採用されるためには、
「自衛官候補生」、
「一般曹候補生」、
「幹部候補生」
という3つの道があるわけです。
ただし、希望すれば誰でも採用されるわけではなく、試験があります。
自衛官候補生と一般曹候補生は『高卒程度』、幹部候補生は『大卒程度』の学力が必要となります。
なお、自衛官を目指したい方にコース別の記事も投稿してますので、ご参考にしてください。
⇒『自衛官になりたい!中卒、高卒、大卒者の入隊コースの種類は?』
また、陸上自衛隊での仕事(職種)にご興味がある方は、こちらをご参考にしてください。
⇒『陸上自衛隊の仕事(職種)はどんなものがあるのか?』
なお、本ページはプロモーションが含まれています。
自衛隊の平均年収はいくら?
「給料」は、
民間と国家公務員の給与水準をあわせる目的で、「人事院勧告」が毎年おこなわれ、自衛隊の給料も変化します。
2023年は国家公務員の給与について、月給を平均で0.96%(3869円)増加することが勧告されました。
ちなみに、自衛隊(自衛官)の平均年収は、640万円です。
月収は、41万円です。
正直なところ、
「えっ! こんなに貰っているの?」と思われた人もいると思います。
実は、この金額ですが、自衛隊はピラミッド型では無く、中間層以上の隊員が多いため平均が高くなるのです。
決して、初任給は高いとは言えませんからね。
なお、自衛官の年収については、どうぞこちらを参考にしてください。
⇒『【自衛官の年収】階級ごとに解かる<超簡単な計算>の仕方!』
さらに「iDeCo」に興味がある方には、こちらを参考にしてください。
⇒『【iDeCo】公務員も加入すべき理由!デメリットを知って賢く運用!』
給料と階級の関係
自衛官の給料は、
「階級」と「号俸(ごうほう)」によって決まります。
簡単に説明しますと、「階級」は、
一般の企業で言えば役職のようなもので、昇進することで上がります。
下から順に、
「士」「曹」「尉」「佐官」「将官」
と上がっていき、階級が上がるほど給料も多くなります。
部隊の規模や部下の数が大きくなれば、「責任」の重みが増えますからね。
なお、
自衛隊の『階級』については、別の記事で書いていますのでどうぞご参考にしてください。
⇒『自衛隊に「階級が必要な理由」、「階級章」と「役職」』
次に、「号俸」ですが、
職務等級のようなもので、勤続年数や仕事への評価によって決まります。
1号俸、2号俸というように表記され、数が多いほど給与も多くなります。
通常は、年に1回、4号俸ずつ上がりますが、評価も考慮され、優秀であれば8号俸上がったり、評価が悪ければ2号俸くらいしか上がらないということもありえます。
自衛隊(自衛官)の階級別の給料
それぞれの「階級」に応じて、月々どのくらいの給料がもらえるかを表で示します。
当然ですが、同じ階級でも「号俸」によって給料に差が出てきますので、ざっくりの目安としてください。
表は、「自衛官俸給表」をもとに算出しました。
⇒「自衛官俸給表」はこちら!
一例として、
「3曹の1号俸」を見てみましょう。
「曹」の右の「3曹」の欄に「190,000円~」とありますが、これがざっくりの「1号俸」です。
実際は、「自衛官俸給表」を見ると
「189,600円」となっています。
「尉」以上は、幹部クラスです。
特に、「将」は自衛隊のトップの階級となりますから、責任の重さとともに給料も多くなっています。
特別な「手当て」について
一般的な手当てと同じように、自衛官にも基本給とは別に、扶養手当、通勤手当、単身赴任手当などは支給されます。
「通勤手当」や「単身赴任手当」については、どうぞこちらをご参考にしてください。
⇒『自衛隊の【通勤手当】はいくらもらえるの?ガソリン代や高速代は?』
⇒『自衛隊の【単身赴任手当】!支給額及び支給条件と注意すべき点は?』
なお、
手当やボーナスをアップする方法については別記事で書いています。
どうぞご参考にしてください。
⇒『【自衛隊の手当一覧】給料アップにつながるテクニックを披露!』
⇒『【自衛隊の賞与】ボーナスをアップするための5つのワザ!』
自衛隊特有の手当て
その他に、次にあげるような自衛隊特有の手当てがあります。
一般的には、
✅ 特別な地域で勤務する場合
✅ 寒い地域で勤務する場合
などに支払われます。
その額は、基本給の〇〇%と決められています。
・勤務地手当:与那国島、宮古島、石垣島などで勤務する時の手当
・寒冷地手当:営外(※)の場合で、暖房用燃料費などの補填の手当
※営外:既婚の隊員や幹部自衛官のことで、駐屯地の外で生活することで、営内は、未婚の隊員が駐屯地内で生活すること
・地域手当:勤務地によって生じる支出の差(物価など)を埋めるための手当
などがあります。
なお、「地域手当」についてはこちらで書いていますので、どうぞご参考にしてください。
⇒『自衛隊の【地域手当】とは?支給される駐屯地を表にしてみた!』
さらに、
広い範囲に渡って人事異動する方のために支給される手当があることは余り知られていませんね。
ぜひ、この機会に理解して欲しいので、ご参考にしてください。
⇒『知る人ぞ知る!自衛隊に支給される【広域異動手当】とは?』
自衛隊別の独特の手当て
また、「陸・海・空」自衛隊独特の手当もあります。
・空挺手当:落下傘で降りる時の手当
・航空作業手当:へリに乗った時の手当で、主にパイロット
・乗務員手当:艦艇での任務に対して支給される手当
・航海手当:艦艇で航海にて勤務した時に支給される手当
・航空作業手当:戦闘機に乗った時の手当で、主にパイロット
特別な退職手当について
自衛官候補生で採用され、「士」という任期がある階級で、ある定められた期間、自衛隊に在籍した場合に『特例退職手当』が支給されます。
ちなみに、
自衛隊に6ヶ月以上在籍していれば、自己都合で退職しても退職金が支払われます。
なお、『定年退職金』については、別記事を書いていますので参考にしてください。
⇒『定年退職金』はこちら!
最後に
今回は、
『【2024年】自衛隊の給料・ボーナスはいくらもらえるのか?』と題して、
「自衛隊に入ろうと考えているけど、給料はいくらくらいなんだろうか?」
「ボーナスはいくらくらいもらえるのかな?」
という疑問に向けて、務めて専門用語などを省いて説明しました。
以下に、項目の結論を書きます。
「自衛官候補生」「一般曹候補生」「幹部候補生」の3つ採用の道があり、初任給も違います。
640万円です。
自衛官の給料は、「階級」と「号俸」によって決まります。
「自衛官俸給表」を参考に、表をつくりましたので参考にしてください。
年間では、月給に「4.45カ月分」を掛けて算出します。
評価も付加されます。
基本給の他に、各種手当が支払われます。
自衛官候補生には、『特例退職手当』が支給されます。
自衛官を目指したいという方のために、
別の記事も投稿してますので、ご参考にしてください。
⇒『自衛官になりたい!中卒、高卒、大卒者の入隊コースの種類は?』
私は、自衛隊OBとして、まだまだ応援していきます!