自衛隊OBである私は、この様な疑問をよく耳にします。
自衛隊には、「階級」があるけど、
なぜ、「階級」が必要なのかな?
自衛隊の「階級」について、
わかりやすく教えてほしいな!
そこで、
✅自衛隊に「階級が必要な理由」
✅階級と役割
について、わかりやすく解説します。
しかしながら、自衛隊のOBとは言え、
「守秘義務」がありますので、資料等については「防衛省ホームページ」を参考にさせていただきました。
自衛隊に「階級が必要な理由」「階級章」「役職」
「階級は、組織に必要なのか?」
と疑問がある方へ、必要な理由を説明しますね。
なお、本ページはプロモーションが含まれています。
自衛隊に「階級が必要な理由」
自衛隊において、『階級』を定める目的は、
「序列を明確化して、命令系統を理解しやすくするため」です。
『階級』は、
「組織における上下関係」と
「指揮系統の格付け制度」において、
部隊を統制する上で大変必要となります。
上の者から命令されたのに、
「今は、○○やっているからし~らない!」
という様なことは、絶対にあり得ません!
そして、
「自衛官」には必ず『階級』が付いていて、
上官には敬礼しなければなりません!
この敬礼自体にも種類があって、
帽子を被っているときは、「挙手の敬礼」で、必ず右手で行います。
帽子を被っていないときは、「おじぎの敬礼」
(10度や45度の敬礼)になります。
なお、自衛官の『階級』は、
「将」~「2士」まで16個
に分かれますので、覚えるのが大変ですね。
各国の軍隊では、
「士官」、「下士官」、「兵」
の大きく3つに区分されていますので、
自衛官の『階級』を、各国の軍隊の区分に当てはめると、
「准士官」:准尉
「下士官」:曹
「兵」 :士
となります。
「階級とその役職」
自衛官の『階級章』は、次のとおりです。
それぞれの階級について説明しますね。
※印は、会社的イメージを書いてみます。
・将(しょう)
最も偉い自衛隊の階級で、諸外国軍の「将軍」に該当します。
※大会社の会長的存在、「神」をつくれる特別な神!
・将補(しょうほ)
将の下の階級で、陸将補、海将補、空将補と呼ばれます。
※大会社の代表取締役社長的存在、「神」の位置づけ!
・佐(さ)
3佐から1佐までを指しており、
1佐は、連隊長や群長クラス、
2佐は、大隊長クラス、
3佐は、大きな部隊の中隊長クラスです。
左官は、給料がグ~ンとアップします。
※3佐は課長、2佐は部長、1佐は社長や役員の位置づけ
・尉(い)
3尉から1尉までを指しており、3尉から上が、幹部自衛官で「士官」に相当
幹部として、「曹」と区別するため、給料もアップします。
※中間管理職で、係長~次長の位置づけ
・准尉(じゅんい)
幹部でも曹でもない階級。(ただし、海上自衛隊の場合、准海尉も幹部自衛官に含まれる。)
中隊では、先任上級曹長(中隊長を支え、※曹・士のおやじ的存在)、
大隊以上の部隊では、最先任上級曹長(大隊長を支え、※曹・士のおやじ的存在)となる。
・曹長(そうちょう)
曹の中で最上級の階級。
1980年に制定された階級で自衛隊の歴史の中でも新しい。
准尉がいない中隊では、先任上級曹長になる場合もある。
・曹(そう)
3曹から1曹までを指しており、いわゆる「下士官」に相当。
曹になって4年経過すれば、幹部試験を受験することができる。
※3曹は主任の位置づけ、2曹や1曹は係長
・士長(しちょう)
1士の上で、「士」の中で一番偉い。陸・海・空士長と呼ぶ。
・士(し)
現在の自衛隊で、最も下位の階級である。1等および2等陸・海・空士がある。
自衛官候補生・一般曹候補生で入隊したら2士から。
※新入社員の位置づけ
・3士(さんし)
かつて、「自衛隊生徒」(少年自衛官)として、
18歳以下でも自衛官(3等陸海空士)になれた制度で、平成23年に廃止された。
現在の「陸上自衛隊高等工科学校」の生徒は自衛官ではない。
そして海自と空自は、生徒制度は無くなった。
・自衛官候補生・一般曹候補生
入隊後、3ケ月の基礎的教育を受け、2等陸・海・空士に採用!
自衛官候補生の間は、階級はなし。
なお、
陸上自衛隊の連隊、群、大隊、中隊など、
部隊の規模を確認したい方は、別に解説していますので、
『陸上自衛隊の主要部隊配置はどうなっているのか?』
を参考にしてください。
「階級章」の付ける位置
そして、
本題とは少し外れますが、「階級章」は、
当然、付ける位置も「自衛官服装規則」で決まっていいます。
一例を、図にします。
最後に
今回は、
『【自衛隊OB解説】自衛隊に階級が必要なわけ!階級章とその役職』
について、陸上自衛隊のOBである私がわかりやすく解説しました。
自衛隊に「階級が必要な理由」は、
「序列を明確化して、命令系統を明瞭にするため」です。
また、「階級章」と「役職」は図を見てもらいながら、
「階級」のイメージがつく様に、会社の位置づけで説明しました。