近年は、日本中のあちこちで震度5以上の地震が発生していますね。
自宅を建てるからには、誰でも
「地震に強い家にしたい!」
と思うことでしょう。
そこで、
「地震に対する建物の強度基準はどうなっているの?」
「耐震・制振・免振とは、何が違うの?」
など、あなたの疑問や悩みを解決します。
最後まで読んで頂くことで、
地震に強い家を作るための耐震基準や耐震性を高めるポイントがわかります。
どうぞ、ご自宅を建てる際の知識として役立ててくださいね。
建物の強度基準はどうなっているのか?
建築基準法では、地震に対する建物の強度基準が定められています。
「新耐震基準」と「旧耐震基準」について解説しますね。
新耐震基準とは?
建築基準法は、1981年に大きく改正されて、ほぼ現在の「新耐震基準」となっています。
実は1978年の宮城県沖地震をきっかけに大幅に見直されたのですが、1981年の改正前の基準を「旧耐震基準」と呼ばれています。
新耐震基準の内容
「新耐震基準」とは、どのような基準でしょうか?
内容は、震度5程度の地震ではほとんど損傷せず、震度6強~7程度の地震でも崩壊や倒壊しないレベルの耐震性が求められています。
さらに、
1995年(平成7年)1月17日5時46分に発生した阪神淡路大震災により、2000年に木造住宅については、
・構造材の接合部の金具取り付け
・耐力壁の適切な配置
など新耐震基準をより強化する対応が義務付けされました。
耐震・制振・免振の違いとは?
家の耐震性を高めるには、どのような方法があるのでしょうか?
家の耐震性を高める方法には、近年よく耳にする「耐震・制振・免振」があります。
コスト的には、通常、
の順に費用が高くなります。
では、どのような違いがあるのでしょうか?
耐震構造とは
「耐震構造」とは、
柱や梁、主要な壁、基礎など、建物自体を頑丈にして、地震の揺れに耐える住宅構造のことをいいます。
多くの一戸建て住宅に採用されている構造となります。
制振構造とは
「制振構造」とは、
建物の壁の中などに、揺れを吸収する装置を組み込んだ住宅構造のことをいいます。
「制振ダンパー」を入れることで小さな揺れの吸収はもちろん、大地震においても揺れを吸収する効果が発揮できるようになっています。
3〜5階建てのマンションなどに採用されることが多いです。
一戸建てでも制振装置をオプションで用意する場合もあります。
免震構造とは
「免震構造」とは、
建物と土台の間に備えられた装置が地震の揺れを吸収して、揺れを直接建物に伝えない(逃がす)ようにする住宅構造のことをいいます。
地盤と建物の間にアイソレータ(振動・騒音の絶音装置)やダンパーを設置して、地盤の揺れを建物に伝えないようにします。
そのため、
免震装置によって建物の揺れを大幅に低減することができますが、コストはかかります。
マンションではよく採用されている方法ですが、一戸建てはまだまだ少ないですね。
耐震性を高めるポイント
地震が多い日本において耐震性を高めるには、どうすれば良いのでしょうか?
耐震性の高めるには、しっかりした地盤であることが重要なポイントです。
なぜなら、
免振・耐震・制振に優れた耐震性の高い家を建てても、軟弱な地盤の上では、揺れをもろに伝えてしまいますから沈み込んで家が傾いてしまう可能性も生じてしまいます。
そのためには、「地盤調査」が必要になります。
地盤調査の必要性
『地盤調査』は、
地面の強度がどれくらいあるのか?を調査することが目的です。
当然ながら、調査にはお金がかかります。
費用の目安ですが、一般的な簡易な方法でも約5万円です。
3階建てなど重量のある家を建てる場合は、マンションで採用される地盤調査方法を使って行うこともあり、費用の目安は25万円〜35万円となります。
それなら、
「家を建てる時は、しっかりした地盤のところにしよう!」
と考えると思います。
ですが、正直なところ、地盤の強い土地をあらかじめ見つけることは難しいのが現状です。
そのため、土地を買って家を建てる場合は、地盤改良のための工事費をあらかじめ用意しておくという心づもりが必要です。
地盤を改善する3つの方法
地盤調査を受けた後、必要に応じて地盤の改善・改良を施す必要があります。
そのための方法を紹介しますね。
表層改良工法
「表層改良工法」は、深さ2mほど土を掘りながらセメント系固化材を入れて、土と固化材を混ぜ合わせることで軟弱な地盤を強固にする方法です。
費用の目安は、床面積20坪くらいで約50万円かかります。
柱状改良工法
表層改良工法でも強度を出すのが難しい軟弱地盤もあります。
その際には、一戸建ての場合、「柱状改良工法」というコンクリートの柱を規則正しく何本も約4m注入して地盤を強固にします。
一戸建てだけではなく、ビルやマンションなどでも多く用いられる工法です。
費用の目安は、床面積20坪くらいで約100万円かかります。
さらに費用は、注入する深さに比例しますので注意が必要です。
鋼管抗工法
「鋼管抗工法」は、柱状改良工法と同じ要領で、コンクリートの柱の代わりに鋼管を使用する方法です。
費用も柱状改良工法とほぼ同じくらいかかります。
まとめ
今回は、
『地震に強い家づくり!耐震・制振・免振の違いとは?』
と題しまして、
「地震に対する建物の強度基準はどうなっているの?」
「耐震・制振・免振とは、何が違うの?」
などの疑問や悩みにお答えしました。
現在の建物の強度基準は、「新耐震基準」に基づき震度6強~7程度の地震でも崩壊や倒壊しないレベルの耐震性が求められています。
家の耐震性を高める方法には3つあり、その違いは簡単に
✅揺れに耐えるのが「耐震」
✅揺れを吸収するのが「制振」
✅揺れを逃がすのが「免振」
でした。
また、家を建てるからには、しっかりした地盤のところが良いわけです。
しかし、
地盤の強い土地をあらかじめ見つけることは難かしいため、地盤調査を受けた後に必要に応じて、地盤の改善・改良を施すための方法も紹介しました。